・ 耳鳴りの検査
音の全く無い静かな場所では、耳鳴りはほとんどの人において聞こえると言われています。このような耳鳴りは、通常、周りの環境にかき消され、気になることはありません。しかし、中には通常の生活をしていても耳鳴りが気になって仕事に手がつかない、眠れないという方もおいでです。
耳鳴りは、耳垢除去や中耳炎の治療をするだけで良くなることもありますが、中には神経性難聴を伴い、治りにくいことも少なくありません。そのような場合は体調を整えたり、睡眠の質を向上させたりすることで改善を図ります。そのためにも、清田耳鼻咽喉科では、難聴原因や耳鳴周波数を調べるだけではなく、健康状態の問診票や起立後の血圧変化を見ることで自律神経や精神の状態を調べ、治療を探っていきます。その他、甲状腺や貧血の検査、睡眠時無呼吸症の検査をすることもあります。
・注目の治療法―音響療法(TRT療法)
これは 耳鳴りに慣れることを目的とした治療法です。つまり、耳鳴りがあっても、普通に生活できるようになることが目標です。耳嗚りを「苦痛」と感じる脳の働きを弱め、耳鳴りに対する意識を減らす。具体的には、耳鳴りのある患者さんが長時間聞いても不快でない音(ラジオの局間ノイズ・自然の音などのCD)を聞くことで、耳鳴りを相対的に小さく感じさせ、脳を慣らす訓練を行います。但し、必要以上の大きな音は難聴を引き起こすこともありますし、また、耳鳴を消すほどの音であれば脳は耳鳴りに慣れることができません。音色や音の大きさを調節しながら徐々に脳を慣らしていきます。これには時間がかかるため、数ヶ月、数年と根気強く治療していくことが大切です。
公共の場では、ラジオの音や自然環境音のCDなどの音を使用するのが難しい場合がほとんどです。そのような場合には、最近では耳掛式の補聴器の形をした音響発生装置(サウンドジェネレーター)という治療器を試していただいています。これは環境を選ばないし、耳に装着するだけで音量調整も容易であるため、手軽に使用することができます。このサウンドジェネレーターは、無料で貸し出していますが、治療の経過を見るための診療に伴う診察料は必要です。また、長期の使用を希望される患者さんには、サウンドジェネレーター(ティニトレアTTの場合、5万円弱)を購入することも可能です。