MBCラジオ『ココが聞きたい! ドクタートーク』2007.9.22
第230回放送分 『めまい』 ゲスト:清田隆二
取材 ライター 小谷さらさ様
聞き手 二見いすず様
二見いすず:今月の後半は2週に渡り、「めまい」について、鹿児島県医師会の清田隆二(きよたりゅうじ)ドクターにお話を伺います。清田さん、よろしくお願いいたします。
Dr.清田隆二:よろしくお願いいたします。
二見いすず:「めまい」と言いますと、とても疲れているときなどに、フラフラッとなってしまうことがあります。「疲れているのかな」と思う反面、もしかしたら脳の病気ではないかと、心配になることもあります。
Dr.清田隆二:そうですね。二見さんがおっしゃる通り、「めまい」と一口にいっても、疲れやストレスなどをきっかけに、一時的な脳の循環、血の流れが悪くなって起きるものや、脳や耳の病気からくるものなど、原因はさまざまです。
二見いすず:なるほど。「めまい」にもいろいろな原因があるのですね。「めまい」の種類には、フラフラや、グルグル目が回ったりするものなどがありますが、これら症状で、原因は判別できるのでしょうか。
Dr.清田隆二:いいえ。「めまい」の種類だけでは判別はできません。例えば、メニエール病という耳の病気では、急性発作のときは回転するようなめまいですが、安定期にはフラフラするという浮動感に変わってきます。
二見いすず:では、それだけで判断することは危険ですね。では、やはり医療機関で検査をしていただくことが必要ですね。
Dr.清田隆二:確かにそう思います。めまいを感じ、それが繰り返されるようでしたら、ぜひ医療機関で検査を受けることをおすすめします。ただ、先ほど申し上げたように、「めまい」には、さまざまな原因があるので、どこの病院に行けばいいのか分からない、という方もいらっしゃると思います。そういった場合は、まずはかかりつけの先生に相談してください。
二見いすず:脳が原因の場合もありますし、耳が原因の場合もありますしね。
Dr.清田隆二:そうです。そして、病院に行かれる前に、ご自身の「めまい」の症状を把握して受診されますと、診察もスムーズに行くかと思います。
二見いすず:症状を把握する、と言いますと、どのようなことを整理していけばよろしいでしょうか。
Dr.清田隆二:一つには、「めまい」が起きたときの状況と持続時間を記録しておいてください。例えば、「朝、トイレに立ったらふらふらして、横になったらすぐ治った」などとお話くださるといいと思います。
二見いすず:なるほど。分かりました。
Dr.清田隆二:二つ目に、「めまい」と共に起きる症状も重要です。例えば、「めまい」の代表的な病気の一つである「メニエール病」は、「めまい」以外に、耳鳴りや難聴など耳の症状を伴うことが特徴です。手足のしびれや頭痛、意識障害などは起こしません。
二見いすず:「めまい」が起きたときの状況と持続時間に加えて、「めまい」と共に起きた症状を覚えておくといい、ということですね。
Dr.清田隆二:はい。そのあたりのお話を伺うだけで大まかな「めまい」診断ができます。また、「めまいが起きる前、睡眠不足が続いていた」など、「めまい」の起こるきっかけが無かったか考えておいていただけると有難いと思います。再発予防方法をアドバイスできるときがあります。
二見いすず:よく分かりました。来週も引き続き、鹿児島県医師会の清田隆二(きよたりゅうじ)ドクターにお話をうかがいます。ありがとうござました。
Dr.清田隆二:ありがとうございました。
MBCラジオ『ココが聞きたい! ドクタートーク』2007.9.29
第231回放送分 『めまい』 ゲスト:清田隆二
取材 ライター 小谷さらさ様 聞き手 二見いすず様
二見いすず:先週から2週に渡り、「めまい」について、鹿児島県医師会の清田隆二(きよたりゅうじ)ドクターにお話を伺っています。清田さん、よろしくお願いいたします。
Dr.清田隆二:よろしくお願いいたします。
二見いすず:先週は、「めまい」にもいろいろ原因があり、症状だけで自己判断をすることは危険なことだと伺いました。やはり、軽いものでも「めまい」が繰り返されるときは、医療機関で検査を、ということですね。
Dr.清田隆二:そうですね。ただ、脳外科などでMRI検査したが脳には異常はなかったとして安心される方もおいでです。しかし、MRIなど脳の写真で異常が見つからない場合でも、耳の奥にあってバランス感覚を保っている、三半規管などの内耳の異常を初めとした、いろいろな病気が隠れていることがあります。
二見いすず:難聴など、耳の症状がない場合には、耳からの「めまい」でないと考えてよいでしょうか
Dr.清田隆二:残念ながらそうとは限りません。難聴や耳鳴り、耳の閉塞感など、耳の症状がない「めまい」患者さんでも、検査の一環として聴力検査をしてみると、低音領域における軽度の難聴が判明することがあります。それがきっかけで、メニエール病のような内耳の病気が判明することも少なくありません。
二見いすず:「めまい」は、いろいろな原因があるんですね。また、自覚症状がないのに耳の故障の場合もあるとは驚きました。これは、なかなか複雑ですね。
Dr.清田隆二:確かに。「めまい」によって、難聴が発見されるというケースもあるということです。そのほか、甲状腺や婦人科・整形外科などの病気が見つかることもあります。
二見いすず:なるほど。では、「めまい」は、体の異常を知らせてくれる、警告のようなものですね。
Dr.清田隆二:まさしく警告、イエローカードです。メニエール病の場合、「めまい」を繰り返しているうち、徐々に難聴が悪化していきます。これは、他の病気が原因のときでも同じです。「めまい」が繰り返す場合には、体からの警告信号だと思って、きちんとかかりつけの先生のところで相談していただきたいと思います。
二見いすず:そうですね。甘くみてはいけないですね。耳鼻咽喉科ではどんな検査をするのですか。
Dr.清田隆二:「めまい」についての検査は、「聴力検査」のほか、目玉のゆれを調べる「眼振検査」や全身のバランスを見る「足踏み検査」、この3つが重要です。寝た状態から立ったときへの血圧変化を計る検査も役立ちます。
二見いすず:原因がさまざまなだけに、検査もいろいろですね。「めまい」をほっておくと、難聴が進んだりする場合もあるということですので、「ちょっと疲れただけ」などと、軽く考えずに、きちんと検査して、原因を根気よく解明し、しっかりと治療を受けたいものです。
Dr.清田隆二:その通りです。高齢化や生活習慣の変化から、高血圧、糖尿病、高脂血症などの病気が増えてきています。また、ストレス社会となり心の病も増えてきています。いろいろな検査や治療を行っても、しつこく続く「めまい」でお困りのようでしたら、一度、耳鼻科で診てもらうことをお勧めします。そういった患者さんの場合、耳が原因の「めまい」である可能性があるということを覚えていただければ、と思います。
二見いすず:よく分かりました。先週から2週にわたり、「めまい」についてお話をうかがいました。鹿児島県医師会の清田隆二(きよたりゅうじ)ドクターありがとうござました。
Dr.清田隆二:ありがとうございました。
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